私の指&彼女の指

私の友人に短指障害(医学用語だとこう呼ぶと初めて知りました。)の女性がいる。

彼女は東南アジア出身のエンジニア、日系企業の英語アテンダントで、わたしの入社の際の英語面接担当でもあった。
面接では技術についての英文を渡され初見での音読、その後に彼女から英語でいくつか技術に対しての質問を受けた。

面接中に彼女の両手に第一関節まで指が無いことに気づいた。
一瞬「ドキッ」としたのは事実、そして面接経過とともにこちらの緊張をほだすようなベイビーフェイスの彼女のアイコンタクトや表情に惹かれた。
彼女という“外国籍社員の在り方”にDiversityが在る日本企業だと思ったのも、入社を決めた1つの理由。

一緒に仕事をしてみると彼女が語学(英語だけでなく日本語もめきめき実力つけている)、エンジニアリングなどのスキルはもちろんのこと、人柄も第一印象以上に素敵な方と分かった。
外資では能力を“自分が抜きんでて他者に肘鉄食らわせるために磨く”人が多かった、そして私自身は“イタリア語をイタリア人役員とうまくやり、他スタッフにつべこべ言わせないためのシェルター”にも使っていた部分もあったかと思う。

彼女は経歴や能力を肘鉄でもなくシェルターでもなく、純粋にチーム貢献のために使い、バックオフィスの人への気遣いや思い遣りを常に忘れない人だった。

「She’s one of the smartest and sweetest person that I’ve ever met.(今まで出会ったなかで最高に優秀で柔らかい人の1人)」と言う言葉が大げさでなくピッタリ!

彼女とはプライベートでも仲良くしていて、この間はビーチに行ってきた。

昼間のシャンパン、恋愛トーク(彼女は2児のシングルマザー)、社内ゴシップetc…

彼女がプライベートでもSecure(精神的に安定していて)大人なところは、グループで話していてほかの人と意見が合わない点があっても静かに諦観し、妙な同意も声高な反論もせず、透明な境界線を引けるところ。意見することが必要な時には意見する強さも、流す柔軟さも持ち合わせているところ。

彼女と1日過ごすうちにこんな気持ちが芽生えた。

障害(書く作業には語彙を決めるのが必要で、障害を選ぶしかないのかなという鬩ぎあいあり。)のある相手に対して、

「可哀そう~」

と根拠なく被害者だと決めつけて“健常者という高み”から同情心をもってみたり、

「(こんな大変なのに)頑張ってて凄いなぁ~」

と勝手に相手を“障害というミカン箱”に乗せてヒーロー化して仰いでみたり、

相手に対して“自分の感情を上下に揺らしてみせる”のを、私も社会も克服する時期だなぁということ。

他人を横目でみただけの優越感、ヒロイズム、盛ってみるドラマ…卒業して、淡々と自分の人生を生きる。
彼女の指はわたしのそれとはただ違う、それだけだから。

彼女の指は彼女のパーソナリティで、チャームで彼女そのもの。
アモーレを込めて、MINAKO